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トルネックスコラム
換気の種類を解説|第一種・第二種・第三種の違いと選び方のポイント
2025/10/23
お住まいの「換気」、どのような種類かご存知ですか。家づくりやリフォームを検討していると、「第一種換気」や「第三種換気」といった言葉を耳にすることがあるかもしれません。「一体何が違うの?」「どれを選ぶのが正解なの?」と、疑問に思う方も多いでしょう。
換気の種類は、住まいの快適性や省エネ性能、そして家族の健康にまで影響を与える、とても重要な要素です。
この記事では、換気の種類ごとの基本的な仕組みから、それぞれの長所・短所、そして選ぶ際のポイントまでを分かりやすく解説します。ご自宅に合った、快適な空気環境づくりのヒントがここにあります。
「自然換気」と「機械換気」
まず、換気の方法は大きく2つに分類されます。それが「自然換気」と「機械換気」です。
◎自然換気:
ファンなどの機械を使わず、風の力(風力)や、室内外の空気の温度差によって生じる空気の流れ(浮力)を利用して換気する方法です。窓開け換気は、この自然換気に分類されます。コストがかからないというメリットがありますが、天候や季節によって換気量が左右され、安定した換気が難しいという側面があります。
◎機械換気:
ファンなどの機械の力を使って、強制的・計画的に空気の入れ替えを行う方法です。現代の住宅は、冷暖房効率を高めるために高気密・高断熱化が進んでおり、自然換気だけでは十分な換気量を確保することが難しくなっています。そのため、2003年の建築基準法改正により、全ての住宅に機械換気による「24時間換気システム」の設置が義務付けられました。
機械換気の3つの種類。第一種・第二種・第三種換気とは?
機械換気は、空気を取り込む「給気」と、空気を排出する「排気」を、それぞれ機械で行うか、自然に行うかの組み合わせによって、3つの種類に分類されます。それぞれの仕組みと特徴を見ていきましょう。
換気の種類 | 給気の方法 | 排気の方法 | 主な特徴と用途 |
---|---|---|---|
第一種換気 | 機械(ファン) | 機械(ファン) | 最も計画的で安定した換気が可能。 住宅、オフィスビルなどで採用。 |
第二種換気 | 機械(ファン) | 自然(排気口) | 室内が正圧になり、外からの汚染空気が侵入しにくい。 病院の手術室、クリーンルームなどで採用。 |
第三種換気 | 自然(給気口) | 機械(ファン) | 構造がシンプルでコストが安い。 多くの一般住宅で採用。 |
第一種換気:機械で給気+機械で排気
給気と排気の両方を機械(ファン)で行う、最も計画的でコントロール性の高い換気方式です。空気の出入りをすべて機械で管理するため、外の天候や風の強さに左右されず、常に安定した換気量を確保できます。
近年では、排気する空気の熱を回収し、給気する空気に移す「熱交換器」を組み合わせた第一種換気が人気を集めています。これにより、夏の暑い外気や冬の冷たい外気がそのまま入ってくるのを防ぎ、冷暖房の負荷を軽減して省エネと快適性を両立できます。
第二種換気:機械で給気+自然に排気
給気のみを機械で行い、排気は排気口から自然に押し出す方式です。機械で強制的に空気を送り込むため、室内の気圧が外よりもわずかに高い「正圧」の状態になります。これにより、ドアや窓の隙間などから、ホコリや汚染物質が侵入しにくくなるという大きなメリットがあります。
その特性から、特に高い清浄度が求められる病院の手術室や、半導体工場などのクリーンルームで採用される専門的な方式であり、一般の住宅で使われることはほとんどありません。
第三種換気:自然に給気+機械で排気
給気は壁に設けられた給気口から自然に行い、排気のみを浴室やトイレに設置された換気扇(ファン)で強制的に行う方式です。構造がシンプルで、導入コストを安く抑えられるため、日本の多くの戸建て住宅やマンションで標準的に採用されています。
ただし、給気口から外の空気がそのまま入ってくるため、冬は冷たい空気が流れ込んで寒さを感じやすく(コールドドラフト現象)、夏は暑く湿った空気が侵入してくるというデメリットがあります。
メリット・デメリットで比較。どの換気の種類を選ぶべきか
ご自身の住まいに最適な換気の種類を選ぶために、「コスト」と「性能の安定性」という2つの観点から、住宅で主に採用される第一種換気と第三種換気を比較してみましょう。
初期コストとランニングコストで比較
とにかく初期費用を抑えたい場合は、第三種換気が有利です。しかし、長期的な視点で見ると、第一種換気(熱交換型)は月々の冷暖房費を削減できるため、ランニングコストを含めたトータルコストでは、その差が縮まる、あるいは逆転する可能性もあります。家の断熱性能や、お住まいの地域の気候も考慮して検討することが重要です。
換気性能の安定性で比較
常に計画通りの安定した換気を求めるなら、第一種換気が優れています。第三種換気は、風の強い日には給気量が過剰になったり、逆に風のない日には不足したりと、外の環境にパフォーマンスが左右されやすいという側面があります。
どの換気の種類を選んでも残る「空気の質」という共通の課題
ここまで各換気方式の違いを見てきましたが、実はどの種類を選んだとしても、避けては通れない共通の課題が存在します。それは、「取り込む外気が汚れていれば、室内の空気も汚れてしまう」という、根本的な問題です。
第一種・第二種換気の給気口フィルタだけでは防ぎきれない微粒子
機械で給気を行う第一種・第二種換気には、通常、虫や大きなホコリを防ぐための簡易的なフィルタが備わっています。しかし、これらの標準フィルタでは、花粉やPM2.5、黄砂といったアレルギーや健康への影響が懸念される、目に見えない微細な粒子までは防ぎきれない可能性があります。
第三種換気で窓や給気口からそのまま入る花粉やPM2.5
自然給気である第三種換気の場合は、さらに深刻です。給気口から、汚れた外気がほぼ無防備な状態で、あるいは非常に目の粗いフィルタを通るだけで、直接室内に入り込んできてしまいます。
どの換気方法も改善できる。「空気清浄機能」を加えるという考え方
この「空気の質」という共通課題を解決し、どの換気方式のメリットも最大限に引き出すための方法があります。それが、24時間換気システムに、高性能な空気清浄機能を付け加えるという考え方です。
24時間換気システムに「ビルトイン型のトルネックス空気清浄フィルタ」を追加
「ビルトイン型のトルネックス空気清浄フィルタ」は、第一種・第二種・第三種、いずれの換気システムの空気の通り道にも組み込むことができる、後付け可能な空気清浄装置です。
給気の段階で、花粉やホコリ、ウイルスを含む微粒子を除去する
このシステムを導入すると、外気が室内に入る一番最初の段階で、高性能な「電子式集塵フィルタ」が空気中の汚染物質を浄化します。
その集塵効率は、一般的な高性能フィルタであるHEPAフィルタと同等を誇ります。これにより、どの換気方式を選んだとしても、常にクリーンで新鮮な空気だけを家の中に取り込む「質の高い換気」が実現できるのです。
まとめ
換気には、給気と排気の方法によって「第一種」「第二種」「第三種」といった種類があり、それぞれにコストや性能面での長所・短所があります。家づくりやリフォームの際は、ご自身のライフスタイルや予算に合った方式を選ぶことが大切です。
しかし、どの方式を選ぶにせよ、取り込む外気が汚れていれば、その効果は半減してしまいます。
その課題を解決し、どの換気方式の性能も最大限に高めるための有効な方法が、24時間換気システムに「ビルトイン型のトルネックス空気清浄フィルタ」を組み合わせることです。
これから先の暮らしのために、換気は「どの種類を選ぶか」だけでなく、「いかに質の高い空気で換気するか」という視点も加えてみてはいかがでしょうか。
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