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Air & Wellness
空気と健康

PM2.5・黄砂

PM2.5とは、2.5ミクロン以下の粉塵の総称です。
近年日本では、ユーラシア大陸から飛来するPM2.5や黄砂のような微小粒子が、人体へ健康被害を及ぼすことが大きく報道されました。

近年の大気汚染の状況について

「越境大気汚染」は、西の大陸の砂漠から発生したホコリ等が、大気汚染の激しい中国の都市部を通ってやって来ます。大気汚染物質の粒子状物質は固体ですのでいろんなところに飛び回ります。
黄砂は、大部分が10μm程度ですが、1μmよりも小さい粒子も含まれています。 東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により大気中に舞い上がった黄砂粒子が浮遊しつつ降下する現象です。日本における黄砂は、春に観測されることが多く、近年回数が増加しています。
黄砂が多いのは年末から3月~5月くらいです。西日本、大阪くらいまで飛来します。大きい粒子は沈殿しやすく、遠距離を飛んでくるものは粒径が小さくなります。

PM2.5、黄砂発生のメカニズム

PM2.5や黄砂は風にのって日本にやってきます。

PM2.5の発がん性について【国際がん研究機関(IARC)発表 一部抜粋】

2013年10月17日、世界保健機構(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)は、大気汚染と、その主要成分である微小粒子状物質PM2.5はヒトに対する発がん性が認められ、Group1(表参照)に分類する、と発表しました。IARCは、発がん性の確かさによって、物質をGroup1からGroup4まで分類しています。

Group1 ヒトに対し発がん性あり 111種類
Group2A ヒトに対し発がん性がおそらくあり 66種類
Group2B ヒトに対し発がん性が疑われる 285種類
Group3 ヒトに対し発がん性が分類できない 505種類
Group4 ヒトに対し発がん性がおそらくない 1種類

汚染物質による身体への影響

微小粒子状物質(PM2.5)は粒子の大きさが非常に小さい(髪の毛の太さの30分の1)ため、肺の奥深くまで入りやすくなります。成分に関係なく細かいからこそ肺から体内に取り込まれ健康に悪いとされています。
PM2.5は肺の奥まで侵入し、運よくマクロファージに食べられてしまう場合もあるのですが、血管へ入ると体の仕組みに関与して炎症を起こすきっかけになります。粒子がある刺激を与えて、それが炎症を引き起こしたり、血管を収縮させたり、詰まりかけのところに炎症があると、細胞を集めてさらに血管を詰まらせ、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こすことがあります。

安達 修一 先生

監修 安達 修一 先生
相模女子大学 栄養科学部長 管理栄養学科 教授 専門分野は環境保健学。医学博士。埼玉医科大学医学部助手、講師、助教授を経て平成13年4月より現職。 日本衛生学会、大気環境学会、日本癌学会等、多数の学会へ所属。環境省 微小粒子状物質環境基準の制定に携わる。

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