TORNEX Column
トルネックスコラム

新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項をまとめました。

2020/05/20

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厚生労働省が新型コロナウイルスの感染防止のために、「換気の悪い密閉空間」を回避することを公表しました。
それを受けて、一般社団法人日本建築学会と公益社団法人空気調和・衛生工学会より、正しい換気の知識や運用方法について発表されました。

トルネックスでは、新型コロナウイルス対策について各機関から発表されている資料を元に、
「キレイな空気と換気の対策・新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項」をまとめましたのでご一読ください。

新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項

 
厚生労働省より、新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項が発表されました。

1.感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
2.感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
3.できるだけ全員がマスクを使用する
4.小まめにうがい・手洗いをする
5.日中はできるだけ換気をする。
6.取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
7.汚れたリネン、衣服を洗濯する
8.ゴミは密閉して捨てる
 
できるだけ全員がマスクを使用すること、小まめにうがい・手洗いを行うなどの8項目の中で

「5.日中はできるだけ換気をする。」

という項目があります。
新型コロナウイルスの感染リスク低減には「換気」は対策の1つとして有効です。

「1.感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける」

感染の疑いのある人と、その他の同居者の生活ゾーンを分けることが重要ですが、換気の観点からすると、「換気効率」や「換気経路」を考え、できるだけ風下(換気口の近く)の独立した部屋で療養するほうが、新型コロナウイルスを拡散させずリスクを低減させることに有効です。

「換気効率」や「換気経路」については、のちほど換気のお話で解説します。
 


「換気」ってなに?

 
現状では、新型コロナウイルスの感染を制御するために、どの程度行えば十分なのかについてはわかっていませんが、正しい換気の方法は汚染物質が何であっても大きく変わりません。

では、換気の基本のお話を簡単に触れましょう。

■換気のキホン

室内の空気と外気を交換することを「換気」といいます。

1) 外の空気を室内に取り入れ
2) 室内の空気を外に追い出すことで
3) 室内の空気中の汚染物質排出・希釈する

これが換気のしくみです。

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換気回数は1時間に2回と聞くと、1時間に2度窓を開けることと思いませんか?
 
上記で言えば、新鮮な空気を室内に取り込むことで室内の汚れた空気が希釈され、汚れた空気は外に排気するという流れを、継続的に行うことです。
換気回数とは、室内の空気が全て外気と入れ替わる回数です。
 
2003年7月以降に建てられた住宅では、換気回数は2時間に1回と定められています。
1時間に、室内空気の体積の半分が入れ替わります。
 

現代の住宅は「気密性」が高いため、汚れた空気が部屋の外に出にくいのです。
このような住宅では、なにもしないと十分な換気ができず、
汚れた空気が部屋の中にどんどんたまっていきます。

 

■換気方法

では、汚染物質を除去するためには換気はどのように行うといいでしょうか?
 
厚生労働省が公表した、新型コロナウイルス対策として「換気の悪い密閉空間」が指摘されたことで、一般社団法人日本建築学会と公益社団法人空気調和・衛生工学会は、正しい換気の知識や運用方法について緊急会長談話を発表しました。
 
この中での換気方法として、
 
1) 窓を開けて行う自然換気
 2箇所開けて空気の通り道を作ると効率的に換気ができます。

2) ファンなどで行う機械換気
 給気口や排気口が塞がれていないこと。物などで塞がれていないか確認しましょう。
 
と解説されています。
 

■「換気効率」とは何でしょうか?

同じ換気量でも、室内のすみずみまで新鮮空気が行き渡らないと換気効率が悪いということになります。
例えば、給気口(空気の入口)と排気口(空気の出口)が離れているほうが、換気効率が良くなります。

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■「換気経路」とは何でしょうか?

換気を行うときの、空気の通る道筋のことです。建物を設計する際、人間が普段過ごす部屋にはできるだけ新鮮な空気を流し、空気が汚れやすい場所(トイレ・浴室・台所)はできるだけ風下に設置することが望ましいといえます。

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家庭内に新型コロナウイルスへの感染の疑いのある人が出た場合、その他の同居者の生活ゾーンを分けることが厚生労働省からの注意事項の1つとして挙げられていました。
 

換気の観点からすると、「換気効率」や「換気経路」を考え、できるだけ風下(換気口の近く)の独立した部屋で療養するほうが、ウイルスを拡散させずリスクを低減させることに有効です。

 

◆「換気」正常なのは1割

東北大学・吉野博名誉教授によれば、東北地方を中心に戸建住宅25戸の換気システムのメンテナンスに関する調査(2005-2006)を実施。その中のシックハウス法制定後に建設された18戸(熱交換換気15戸、3種3戸)で風量測定を行いました。その結果、換気回数が0.5回/時を満たしている住宅はたったの2戸(11%)に過ぎなかったといいます。
 
これらの家は高気密を意識した家で、換気にも関心があったと思われますが、驚くべき結果でした。これらはフィルターの汚れが原因で、清掃した後に再度測定してみると、風量が増加した住宅は11戸ありました。最も汚れのひどかった家は清掃前が0.1回/時で清掃後に0.45回/時に復活したといいます。
 
また、北海道科学大学・福島明教授によれば、北海道内の高性能住宅で熱交換換気を搭載した16軒の家を調査したところ、強運転で換気回数0.4回/時を越えた家は、ここでもわずか2棟(13%)だけだったといいます。
 
設計通りの計画換気も、住まい始めて時間が経つと、フィルターがホコリや虫の死骸で目詰まりしてしまい、換気がされず、室内の空気はどんどん汚れていきます。

参考:トルネックス 南雄三先生コラムより

 

◆エアコンで換気はできないの?

通常の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで、換気を行なっていません。
エアコンは、部屋の中の空気を吸い込んで、その空気を冷やしたり温かくした後に、部屋の中に戻す仕組みで、「換気」はできていないのです。

 


室内の汚染物質にはどのようなものがあるの?

 
一見キレイに見えるお家の空気には、目に見えない様々な汚染物質があり、

1)ガス状汚染物質(気体)

2)粒子状汚染物質(固体や液体)

に分けられます。

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ガス状汚染物質には、二酸化炭素、一酸化炭素、揮発性有機化合物、臭気などがあります。

粒子状汚染物質には、浮遊粉塵、ダニ・カビなどのアレルゲンに加え、細菌やウイルスも含まれます。
細菌やウイルスの多くは粉塵や水蒸気と共に浮遊します。
さらに、屋外に浮遊する花粉やPM2.5、黄砂も室内に入ってきます。
 

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これらの粉塵は目には見えないほど小さく、花粉は30μm(ミクロン)程度で、その他の多くの汚染物質は10μm以下という小ささです。
小さい物質ほど、知らず知らずのうちに吸い込んでしまいます。
それらの小さい汚染物質が人の健康に悪影響を与えることがあるのです。

 
室内の空気中の汚染物質を排出希釈するには、換気を行うことが重要です。
また、換気とともに目に見えない小さな粉塵を除去できるフィルタを備えた空気清浄機を併用することで、効率良く汚染物質の濃度を下げることができます。
 


ウイルスはどこにいる?

 
ウイルスは「飛沫」に潜んでいます。
「飛沫」は人がくしゃみや咳、大声を発したことによって飛ばされる、ウイルスを含んだ水蒸気です。
ウイルスを持った人の飛沫を、近くにいる人が吸い込んでしまうことで感染してしまうのが「飛沫感染」です。

新型コロナウイルスに関しては、感染のメカニズムが十分に明らかになっていませんが、風通しが悪い閉鎖空間で(密閉)、近距離で(密接)、多くの人(密集)と会話する等の一定の環境があれば、咳やくしゃみがなくても感染を拡大させるリスクがあります。
 

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5μm以上のエアロゾルを「飛沫」と呼び、それ以下のものを「飛沫核」と呼びます。
最新の知見では飛沫、飛沫核はある時間空気中を漂うことがわかっています。

2020年3月17日、米国立アレルギー感染症研究所が明らかにしたのは、新型コロナウイルスのエアロゾル化について、限定空間内で一定時間浮遊すること、エアロゾル化した後、空中で最低3時間は生き残るという見解を出しています。
 

これらによる感染リスク低減には、換気によってウイルスの密度を低くする、
空気の流れをつくってウイルスを外に排出することが有効なのです。

 
(つづく)
 


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