空気と換気のコラム
2019/11/27 2.カビの基礎知識 その②:こんなところにもカビ?

■こんなところにもカビが?

 私たちの生活環境でカビが生息する意外な場所として、以下のものが考えられます。
 
1)水道の蛇口の裏
 
 とくにシャワータイプのものは、食器を洗う際の跳ね返りで汚れが残っていたりして、クラドスポリウム、オーレオバシディウムなどのカビが繁殖し黒くなってしまう場合があります。
 食器を洗う際、一緒に食器用の洗剤で蛇口の裏も洗うといいでしょう。
 浴室のシャワーも同様に、汚れてしまう場合があります。
 

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2)冷蔵庫の製氷機の給水タンク
 
 冷蔵庫の給水タンクは、水を足しているだけでタンク自体を洗わないで置くと隅の方が黒ずんだり、フィルターが汚れてしまうことがあります。
 これはオーレオバシディウムなどが原因で一部は氷の中に入り、そこでは生育はしませんが生きています。
 ともに口に入るものですので、注意が必要です。
 
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3)浴室の天井
 
 浴室の壁、床を掃除しても、すぐにカビが生えてしまう場合があります。
 これは、カビの生える原因になるカビの胞子が浴室の天井に付着しているからです。
 目立ちませんが、天井にカビが生えてしまうことがあります。
 月に1度くらいは、モップにカビ取り洗剤を含ませて拭き、そのあと水拭きをすることをお勧めします。
 最近は、煙タイプの抗カビ剤が販売されています。高いところですし、浴室の隅々まで行き渡りますので便利です。
 
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4)その他
 
 買い物の際、エコバックを使用する方も多いのではないでしょうか。
 ただ、野菜などからの土、埃などがエコバックの隅に溜まってしまうことがあります。
 食品を入れることが多いため、たまには洗濯をした方がいいと考えます。
 
 また、私たちは夜、寝ている間にコップ一杯の汗をかくといわれています。
 布団は乾燥させますが、枕も一緒に乾燥させるようにしましょう。
 枕カバーもシーツと一緒に洗濯するのがいいと思います。
 
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■細菌とカビの違い

 
 微小な生物(微生物)は大きくカビと細菌に分けられますが、これらは大きさと形状が違います。
 
 細菌の細胞の大きさは0.5~1μm(1μmは1 mmの1,000分の1)程度ですが、カビの胞子は小さいもので2~3μm、大きいものは20μm以上になるものもあります。
 細菌は、1つ細胞が分裂して2つの同様の形の細胞となり、その分裂を繰り返すことで増殖します。
 
 それに対してカビは、胞子から菌糸が出芽し、菌糸が成長するとその先端に胞子を作ります。
 それ以前に、カビと細菌では根本的に細胞の作りが異なります。
 
 細菌は細胞内に遺伝情報が詰まった核が浮遊している単純な細胞から成り立っている原核生物です。
 これに対して、カビは動物や植物と同様に、核が核膜に守られ、細胞内も複雑な構造からなる真核生物です。

 

(つづく)

 


■講師ご紹介

矢口貴志先生

千葉大学 真菌医学研究センター 准教授

矢口 貴志 先生

早稲田大学理工学部応用化学科卒業。明治製菓(株)を経て現千葉大学真菌医学研究センター准教授に就任。生活環境のカビ、特に病原性のカビを専門に研究。「世界一受けたい授業」「林修の今でしょ講座」などテレビ出演多数。
 
 

■矢口貴志先生コラム一覧

1.カビの基礎知識 その①:カビってなんだろう?

2.カビの基礎知識 その②:こんなところにもカビ?

 

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